最近、飲み会の翌日に後悔することが多くなってきた、33歳の独身男、どうも、ぴじょんです。
今日は少し趣向を変えて、文学作品をざっくり紹介したいと思います。
今回紹介するものは、夏目漱石の代表作「こころ」です。
こころとは
文豪・夏目漱石の代表作で、累計発行部数は驚異の700万部超え!
日本で一番売れてるといっても過言ではない小説です。
物語の舞台は明治時代の末期。
主人公の「私」が、先生と出会い、憂いを帯びる先生の秘密を明らかにしていくという物語。
実はこのブログの構成と同じく(?)3部構成になってまして、今日は各部のあらすじをざっくりとご紹介したいと思います。
第一部 先生と私
夏休み、鎌倉の海岸で私は先生に出会います。
先生は、その時代にしては珍しく西洋人と海水浴にきており、実に気をひく存在でした。
どこか憂いを帯びている先生。
今の生活に物足りなさを感じている私は、そんな先生に惹かれ、鎌倉で交流を深めていくのです。
鎌倉で、
私「これから折々お宅へ伺っても宜ござんすか」
先生「ええいらっしゃい」
という約束を交わした二人。
鎌倉から東京に帰った私は、先生の家に行くも、なかなか会えない。
3度目の訪問の際、墓参りをしていると聞いた私は、雑司が谷のお墓に向かい、鎌倉ぶりに先生に会うことになります。
それから東京で先生と話す日々を重ねるのですが、とにかく先生の憂いがすごい。
何かにつけて含みのある言い方をするんです。
特に、金、人、恋の3つへの含みの持たせ方たるや。
・金→人を変える
・人→信用できない
・恋→罪悪
いったい先生の過去に何があったのか…。
先生の奥さんに聞いても「分からない」の一点張り。
ただ、昔はもっと明朗快活な人だったとか、とにかく謎ばかりが残る先生の素性。
でもこの第1章は、これから続く2章、3章への先生の思わせぶりによる前振りにすぎません。
そんな折、卒業を迎えた私は、先生夫婦と9月に会う約束をして、病気の父が待つ実家に帰ることになります。
第二章 両親と私
実家に帰った私は、意外に元気そうな父を見て、内心ほっとしていました。
しかし、明治天皇の崩御がきっかけで神経が衰弱し、体調を崩してしまう父。
病は気からといいますが、日に日に体調が悪くなっていきます。
そんな父を安心させるため、先生に手紙を書いて就職先を斡旋してもらえ、という母。
先生はそういうタイプじゃないんだよなーと思いながらも、手紙を書く私。
待てど暮らせど手紙は返ってきません。
そんな中、父の体調はますます悪くなり、いよいよ危ないというときに、先生から物凄い量の手紙が…。(原稿用紙で、数百枚くらいあるんじゃないか?)
その手紙の結末がちらりと見え、そこには、
「この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょう。」
という文章が…。
私は危篤の父を置いて、急ぎ東京に戻ることに…。
第三章 先生と遺書
第三章はすべて先生の手紙で、この手紙は先生が私に宛てた遺書だったのです。
驚くべきことに、そのボリューム新潮文庫換算で140ページ分!
この遺書により、第一章の伏線、金・人・恋のすべてを回収していきます。
金・人編
先生は資産家の家に生まれた一人息子。
しかし、先生が二十歳になる前に、両親は腸チフスにより亡くなってしまいます。
まだ若い先生は、叔父を頼るほかなく、財産などもすべて叔父に管理をお願いしていました。
叔父は実業家で、実は事業があまりうまくいっていなかったのですが、財産管理をしてから数年で、なんと事業が持ち直したのです。
これを訝しがった先生は、叔父が財産を誤魔化して、自分のために使っていたことを突き止めます。
以前、先生は私に、
・生まれながらの悪人はいない。多くの善人がいざという場合に悪人になる。
ということを伝えたことがあります。
この叔父がまさにその典型であり、人を変えた原因が金なのです。
どんなに善人でも、あるとき突然に変わる。だから人は信用できない、と。
恋編
叔父の裏切りにあい、傷心のまま東京にきた先生。
その下宿に選んだのは、軍人の遺族の家でした。
下宿先にいるのは未亡人とその娘(お嬢さん)の二人。
人を信用できなくなっていた先生の心をゆっくりと解きほぐしていきます。
下宿してからしばらく経ったある日、先生の友人Kが、ひょんなことからその下宿先に転がり込んでくることになります。
Kはなかなか強情で、友達も一人もいないような男。
しかし、時が経つにつれて、下宿先のお嬢さんとただならぬ雰囲気に…。
ある日、Kは先生に「お嬢さんが好きだわ。」と、相談を持ち掛けてきます。
ピンときた先生は、「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」と、独特の言い回しで恋の行く手を阻もうとします。
そして、先生は、その足で下宿先の奥さんに「お嬢さんを僕にください」というのです。
鬼畜の所業…。しかもお嬢さんはこれをOKしちゃうんです。
驚くべきはこの後の展開。
それを知ったKは、なんと、自殺してしまいます。
まさに恋は罪悪。
ただの恋愛あるあるではない
この出来事にずーっと罪悪感を抱えていた先生。
ずっと死に場所を探していたんです。
今の価値観で考えると、こんな恋愛あるあるで自殺しちゃうKもやばいし、それを後悔し続け、最終的に自殺しようとする先生もやばい。
はっきり言って理解不能。
でも、明治から大正に時代が変わっていくときにも、価値観の転換ということは起こっていて、先生のこの思想は、主人公の私にも分かりようがないことなんです。
実は、ジェネレーションギャップというテーマを恋愛あるあるに重ねた作品なんです、こころは。
明治時代の人(先生)の考え方が大正時代の人(私)に分からないのに、明治から大正、昭和、平成、令和…と5世代を超えた僕たちに分かりようがあるでしょうか。
でも、こういう「こころ」現象って、現代でも起こりうるんでしょう。
たとえば昭和 対 平成でいえば、
・昭和の人は「働く」=「長時間労働」
・平成の人は「働く」=「ワークライフバランス」
といったように。
これからもどんな「こころ」現象が起きるのか、楽しみに生きていきたいと思います。
※こんな偉そうに綴ってきた「こころ」ですが、以前紹介した、中田敦彦のYouTube大学の授業の受け売りなんです…。
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